
最近、「共感」という言葉を耳にすることがよくあるのではないでしょうか。 皆さんも日常の中で、友達の気持ちや意見に、「それわかる!(それな!)」と感じたことがあるかもしれません。 一般的に使われる「共感」と心理学で使われる「共感」は重なる部分もありますが、必ずしも同じ意味ではありません。
心理学での共感(empathy)には、他者の感情や気持ちに影響を受けて自分の感情が変化することや、相手の立場に立ってその人の気持ちについて理解しようとすることが含まれます。 前者を情動的共感(emotional empathy)、後者を認知的共感(cognitive empathy)と区別して考えます。
共感は赤ちゃんの頃から見られるとされますが、発達心理学の研究では、特に「認知的共感」は中学生以降に大きく発達することが報告されています。 これは、周囲のルールや社会的な役割など様々な考えや立場を一緒に考えることができるようになるからでもあり、認知的共感は、人間関係を円滑にするうえで重要な役割を果たしています。
一方で、共感は “良いこと”ばかりとは限りません。例えば、困っている友達の話を熱心に聞き続けた結果、自分が疲れてしまった経験はありませんか。 こうした現象は「共感疲労」と呼ばれています。最近では、ニュースやSNSでつらい出来事を見聞きして、自分が苦しくなる場合にもこの言葉が使われています。 (過度に)相手の感情と一緒になったり、他者の気持ちに晒され続けることで、自分の心が消耗してしまうこともあるのです。
高校生の皆さんは、人間関係の広がりや進路選択の中で、様々な立場や感情に触れることもあるかと思います。 共感は大切な力ですが、その影響は必ずしも良い側面だけではありません。 自分と他者の気持ちの境界を意識しながら、自分の気持ちや他者の気持ちを意識的に振り返ってみることも、より良い人間関係を築く手がかりになるかもしれません。
発達心理学・臨床心理学
健康科学部 こども健康・教育学科
助教 川浦 千明
心理学での共感(empathy)には、他者の感情や気持ちに影響を受けて自分の感情が変化することや、相手の立場に立ってその人の気持ちについて理解しようとすることが含まれます。 前者を情動的共感(emotional empathy)、後者を認知的共感(cognitive empathy)と区別して考えます。
共感は赤ちゃんの頃から見られるとされますが、発達心理学の研究では、特に「認知的共感」は中学生以降に大きく発達することが報告されています。 これは、周囲のルールや社会的な役割など様々な考えや立場を一緒に考えることができるようになるからでもあり、認知的共感は、人間関係を円滑にするうえで重要な役割を果たしています。
一方で、共感は “良いこと”ばかりとは限りません。例えば、困っている友達の話を熱心に聞き続けた結果、自分が疲れてしまった経験はありませんか。 こうした現象は「共感疲労」と呼ばれています。最近では、ニュースやSNSでつらい出来事を見聞きして、自分が苦しくなる場合にもこの言葉が使われています。 (過度に)相手の感情と一緒になったり、他者の気持ちに晒され続けることで、自分の心が消耗してしまうこともあるのです。
高校生の皆さんは、人間関係の広がりや進路選択の中で、様々な立場や感情に触れることもあるかと思います。 共感は大切な力ですが、その影響は必ずしも良い側面だけではありません。 自分と他者の気持ちの境界を意識しながら、自分の気持ちや他者の気持ちを意識的に振り返ってみることも、より良い人間関係を築く手がかりになるかもしれません。
発達心理学・臨床心理学健康科学部 こども健康・教育学科
助教 川浦 千明
