
体力測定で、立ち幅跳びを行いました。A君は200cm、B君は250cmでした。このちがいは何が原因でしょうか。たしかに、跳躍技術やその時の心理状態などが影響しますが、それらが同じだったとしたら、この二人は何がちがうのでしょうか?
そもそも「立ち幅跳び」は体力要素の何を測っているのでしょうか?ずばり瞬発力です。瞬発力は専門的には「筋パワー」とよばれ、「筋肉が素早い動きの中でどれだけ強い力を発揮する能力があるか」を表すもので、「筋力×スピード」で求めます。一瞬で遠くへ跳んだり、高く跳んだり、遠くへ投げたりといった運動に関係する体力要素です。したがってB君の方がA君より筋パワーが高いということです。
B君の筋パワーが高い理由の一つは、日ごろからウエイトトレーニングで脚筋力を鍛えていたということが考えられます。確かにトレーニングによって、筋肉が肥大し、筋力が高まります。それでは A君がB君と同じトレーニングをしていたら同じ距離を跳べるようになるのでしょうか?そうとは言えないのです。 B君(筋パワーが高い)とA君(筋パワーが低い)は筋肉の性質が異なっている可能性があります。B君の筋肉は、「収縮速度(スピード)が速く収縮力(筋力)が大きい速筋線維」の割合が「収縮力は小さく収縮速度は遅いけれど持久的な遅筋線維」より多いと推察できます。
体力測定をすると、体力の高い人と低い人にわかれます。なぜそのような差ができるのか、どうしたら体力を効率よく高められるのかという、素朴な疑問の解決を前述のように学んでいくのが「トレーニング科学Ⅰ」です。自分自身の体力を高めるためばかりでなく、指導者として対象に応じた体力の高め方を学習する上でも重要な知識ですね。
運動学(野外運動)
短期大学部 体育学科
