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ゼブラフィッシュの心臓は損傷しても完全に再生できる!

ゼブラフィッシュの心臓は損傷しても完全に再生できる!

 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きを見せている今日ですが、行動が制限され皆さんの生活が変化したことは記憶に新しいのではないでしょうか。
 人は心筋梗塞を起こすと突然死を起こすこともあります。生存できたとしても損傷を受けた部分は線維化を起こして瘢痕化して本来の心臓の機能を失って心不全状態になってしまうのでとても困ります。
 ところがモデル動物として使われるようになった熱帯魚の仲間のゼブラフィッシュの心臓は、損傷を与えても完全に再生する能力を持っています。
 ヒトの心臓とゼブラフィッシュの心臓の何が違うのか世界中の研究者たちが注目して研究を進めています。最近わかってきたことは、ヒトの心臓は線維化を起こしたら、それで修復は終わってしまいます。
 しかし、ゼブラフィッシュ線維化して瘢痕組織を作り出した後に、瘢痕を溶かす能力がある細胞が掃除をしてくれます。掃除をする細胞なマクロファージと呼ばれる免疫系の細胞で、瘢痕組織のコラーゲン線維を分解します。分解して新しい空間を作り出した場所に新しい心筋の再生が起こります。
 この掃除屋さんの役目はとても大切です。掃除をする細胞を活性化するのにアドレナリンの作用が必要です。
 元気にしていると、傷を受けても治りが早いことと、損傷局所でアドレナリンが分泌されることと、どこかでつながっているのかもしれません。
 面白いことに、発生初期の背中の神経管の側にある細胞が心臓の中に移動して、その細胞からアドレナリンは分泌されているらしい。その細胞は神経堤細胞と呼ばれている細胞群です。交感神経節細胞、メラニン細胞など様々な臓器を作り出すとても興味深い細胞群です。
 この細胞群の機能を使えば、将来的にヒトの心臓も再生できるようになるかも知れませんね。ゼブラフィッシュの心臓は損傷しても完全に再生できる!臨床医学・臨床栄養学
健康科学部 栄養科学科
教授 三浦 裕

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