
今回は、子どもの育つ力を信じて子どもとその家庭を支援していく取り組みである「子ども家庭福祉」について下の図を手がかりに考えてみます。みなさんはこの図、何に見えますか?これ、実はコアラなんですって(ミッ○ーマウスにも似ていますね)!
1.コアラの目
コアラの「左目」にあたる部分には、「子ども家庭福祉サービスが取り組むべき問題(以下、問題)」、「右目」には「問題を解決するための社会資源(以下、社会資源)」があります。「問題」の定義はその時代や立場によって異なりますが、現在では子ども虐待問題がその代表格です。そして、「社会資源」には保育所や児童養護施設などの児童福祉施設、児童相談所などの相談機関、在宅福祉サービスなどが挙げられます。
2.コアラの鼻
この「問題(左目)」と「社会資源(右目)」とをうまく結び付けることができると、効果的に解決を図ることができます。そこで、これらを結ぶものとしてコアラの「鼻」に位置する「問題と資源をつなぐ援助者および援助技術(以下、援助者・技術)」があります。援助者は、保育士、児童福祉司などの専門職が中心であり、問題を抱える人(子どもや家族)の立場に立ち、ソーシャルワークなどの専門的な援助技術を使って解決を図ります。
3.コアラの耳
しかし、「両目(問題と社会資源)」とそれをつなぐ「鼻(援助者・技術)」だけが「子ども家庭福祉」を構成しているわけではありません。コアラの「耳」に位置する、援助を何のために行うのか、どういう方向に解決しようとしているのか、という「援助の目標や援助観」も重要です。これは、子ども家庭福祉の理念(考え方)や制度・政策のあり方とも深く関わるものです。
例えば、子ども虐待問題について援助者は、子どもを虐待から守りその回復と生活等を支援することはもちろん、たとえその親が虐待の加害者であったとしてもその親(家族)も含めた援助を考えていく必要があります。子ども家庭福祉においては、子どもと親(家族)、両方の人権を尊重するという援助観に基づき、目標をもって社会資源を有効に活用し援助することが求められているのです。
いかがでしたか?「子ども家庭福祉」の基本要素とその関係という難しい事柄が、「コアラ」によって少しだけわかりやすくなりましたね?
参考文献:山縣文治編『よくわかる子ども家庭福祉<第9版>』ミネルヴァ書房、2016年
子ども家庭福祉
健康科学部 こども健康・教育学科
