
至学館大学正門の南に、ひっそり小さな看板が立っていますが、目を留める人は少ないようです。
そこには「大府市歴史案内 鈴木バイオリン製造株式会社 大府分工場跡地」とあります。
鈴木バイオリン製造は、日本のバイオリン王と呼ばれる鈴木政吉が創業した日本を代表する弦楽器メーカーです。
政吉はもともと家業であった三味線づくりに従事していましたが、初めて見たバイオリンに魅了され、1888(明治21)年には家業を三味線づくりからバイオリン製造へと変更しました。
政吉らの作るバイオリンは国内外の博覧会で数々の賞を受賞し、皇室がお買い上げになったり物理学者のアインシュタインに贈呈されたりするなど高い評価を得ました。
その後、家業を受け継いだ長男の梅雄は、ドイツの楽器生産の村「マルクノイキルヘン」を再現しようと、ここ名高山に大府分工場を新設したのです。
しかし、戦争による経済統制、資材不足から1944(昭和19)年に大府分工場の歴史は幕を閉じ、戦後には宅地や大学用地へとその姿を大きく変えました。
今、大学が建っている場所に昔はバイオリン工場があったという事実を地元の大府市民でも知る人は多くないようです。
皆さんも、自分の周りの身近な場所に眠るこぼれ話を見つけてみてはいかがでしょう?
道徳教育・学校教育
短期大学部 体育学科
