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文武不岐 ― スポーツも勉強も、一本の道

文武不岐 ― スポーツも勉強も、一本の道
柔道の創始者である嘉納治五郎師範は、「文武不岐(ぶんぶふき)」という理念を重んじていたことで知られています。
一般によく知られる「文武両道」が、学問と武道の双方に励み、そのどちらにも優れていることを意味するのに対し、「文武不岐」はさらに本質的な考え方を示しています。それは、学問と武道を別々のものとして両立させるのではなく、本来は切り離すことのできない一つの道として捉えるという考え方です。強いだけでは真の武人とは言えず、知識だけでも人として完成することはできません。知を磨き、心を養い、身体を鍛えること。そのすべてが、人間形成という一つの目的へとつながっています。つまり、文も武も「どちらも頑張る」のではなく、「どちらもあって当たり前」。互いに支え合い、高め合う存在なのです。
現代では、「勉強かスポーツか」「仕事か家庭か」と、物事を二者択一で考えがちです。しかし、文武不岐の精神は、そのどちらかを選ぶのではなく、すべての経験が自分自身を成長させる一本の道であることを教えてくれます。つまり、競技力の向上と学問の探究がともに人間としての成長につながっていて、ごく自然な姿であることを意味しています。
学びも鍛錬も、結局は一本の道となって人生そのものになっています。100年以上前に嘉納治五郎師範が示した「文武不岐」の教えは、今なお色あせることなく、私たちに成長への道筋を示し続けています。健康科学部 体育科学科
准教授 松本 秀彦
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