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学びの効果を18倍に上げる秘訣

学びの効果を18倍に上げる秘訣
「どうしたら相手に勝てるのか。終わった後、全くわからなかった」
音楽コンクール2位の人が呟きました。

「全力で演奏し切った。いちばんよい表現ができて終わった瞬間、これは勝てると思えた。全てをやり遂げ、最高地点へ到達できたと感じる至福の時間。負けた結果は本気で悔しく霧の中にいる心境」と語っています。

この「わからない」状態は脳科学的によいことです。脳はわかったとたんに活動を停止するからです。「わからない」が続く限り脳はずっと活動を継続します。


次のような性質もあります。

【脳は条件付きの失敗で成長】
① 学び始めである最初の段階で失敗する。
② 毎回、違う方法を試して失敗する。
③ じっくり考えたうえで失敗する。

入り口の段階でいろいろ失敗することです。中盤から出口で同じ失敗を繰り返すことは、ほとんど力になりません。考えなしの失敗は全く意味がないのです。意味のある失敗は、試行錯誤したうえで間違えることです。

【脳は作業を始めてこそ活性化】
作業を始めない限り脳は、やる気が出ない仕組みになっています。これを上手く活用するには、勉強する気分になるのを待たず、時間になったら粛々と始めます。66日間程続けると習慣化できます。習慣化は脳に負担をかけない最適な方法です。

【脳は入力より出力】
 人は20分後には42%の情報を忘れます。半分近くです。忘れる量は年齢に関係ありません。記憶力をよくするには、学びの直後に復習し繰り返すと定着します。より多く記憶を残すには、どうしたらよいのでしょうか。

脳は入力より出力が得意です。
アメリカ国立研究所の学習定着率における研究では、「人に教えた時、記憶にいちばん残りやすい」結果が出ています。いちばん効果が低いのは、「授業を聞くだけ」の学習定着率5%です。聞くだけだと95%は忘れます。それに対して、人に教えた場合の学習定着率は90%でした。人に教えることで、5%は90%に上がり18倍もの効果絶大です。記憶方法には「何度も何度も繰り返して頭に入れる」「確認テストでひたすら思い出す」があります。この二つは覚えるスピードは同じですが、忘れるスピードは圧倒的な差がつきます。出力重視の思い出す方法が、3か月後の再テストでは点数が5倍ほど高いそうです。

【脳は睡眠中に記憶を定着】
勉強は夜型にしましょう。
睡眠の1~2時間前が記憶のゴールデンタイムです。朝方は効率が悪いのです。また、一気に覚えたものは一気に忘れます。少しずつ覚えたものは、少しずつ忘れます。なぜでしょうか。
それは、睡眠が挟まるからです。熟睡しないとだめでしょうか。大丈夫です。目をつむっているだけでも、ぼうっとしているだけでもよいです。入力しなければ、脳はやることがなく、学んだことを勝手に整理整頓してくれ、定着させてくれます。10分程の昼寝でも学びが定着します。眠らないと頭は飽和し混乱状態が続きます。

【脳は不器用】
「入力」か「整理整頓」か、どちらか一つを選択しましょう。
勉強の休憩にスマホを観て気分転換、音楽を聴いてリフレッシュといった方法は、とても効率が悪いです。脳は不器用で一つのことしかできません。
学びを入力した後、脳へ整理整頓の時間をあげると、記憶力が抜群によくなります。スマホを観る、音楽を聴く、勉強するは全て入力です。脳は「入力」と「整理整頓」を同時にはできません。学んでいる時に、スマホの通知音が鳴るだけでも記憶力が下がると言われます。最も適した環境は、机の回りに余計なものは置かない、スマホを持ち込まないです。注意を削ぎ、気が散るものを徹底的に排除すると記憶力は上がります。教室の前方3分の1に座っている人の方が、成績が上がりやすい研究結果まで出ています。

【脳は変化が好き】
学ぶ場所を時々変えるだけで、記憶力は2倍から3倍に上がります。
同じ部屋の中でも、位置を移動したり、定位置でも90度ずつ座る向きを変化させ、目に映る景色を新鮮にしたりすると効果的です。


音楽やスポーツを含めどんな学びも、むやみに努力しても効果は低く、ただ、努力すればよいと考えている人は、エネルギーを無駄にしています。脳科学の活用も一つの方法として、学びに磨きをかけてみませんか。
健康科学部 こども健康・教育学科
教科教育法(音楽)
教授 村松 千里
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