至学館の豆知識

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2024年6月

小学校・中学校における長期自然体験活動

 「自然体験活動」って漢字6文字と長く、何かな?と思いますよね。簡単に言うと小学校や中学校で行われる「キャンプ」、「野外活動」です。小学校、中学校では宿泊を伴う体験活動の実施が推奨されています。自然の中で行う体験によって、個人の精神的な成長だけではなくクラス等集団の成長も期待できることから、多くの小学校、中学校で実施されていますので経験している人が多いことでしょう。
 自然には虫が多くいたり、便利な生活ではないので楽しくなかった人もいると思いますが、キャンプファイヤー、野外炊事、ハイキング、星空観察、海や河川での活動、山での活動など、思い出に残る活動がたくさんあるのではないでしょうか。
 しかし、新型コロナ感染症、学校での学びの内容の多様性、教師の働き方改革など多くの要因から、自然体験活動の実施日数が少なくなり、今では1泊2日が主流となり体験の機会が非常に少なくなっています。自然体験活動は、期間が短いよりも長い方が個人の成長の効果が現れやすいという研究結果が出ています。私は、特にこどもや青少年が自然の中で、他人と協力して、何かを成し遂げる機会がある自然体験活動を、少しでも長期間で実施して欲しいと願っています。
 その中で、継続して長期間の自然体験活動を実施している都道府県・市区町村を紹介します。兵庫県では、全ての小学校5年生が4泊5日の「自然学校」を30年以上継続して実施しています。東京都武蔵野市では「セカンドスクール」として30年以上前のスタート時では1週間程度で実施し、現在でも小学校5年生で5泊6日、小学校4年生の「プレセカンドスクール」は2泊3日、中学校1年生で4泊5日と長期間で実施しています。この他にも東京都江戸川区立の小学校5年生の3泊4日の「ウインタースクール」として雪の活動が実施されています。

野外教育
健康科学部 こども健康・教育学科
教授 時安 和行


2024年5月

ムスリムの食と誤解

 近年、日本にも多くの移民がやってくるようになり、様々なバックグラウンドを持つ人々が日本中に定住するようになっています。その中でも、イスラームの信徒であるムスリムの国内人口は多く、ヒジャブなどを着用する人の姿も街中でよく見かけるようになりました。早稲田大学の店田廣文名誉教授らの調査によると、2020年末には約23万人ものムスリムが国内に暮らしていたということがわかっています。
 イスラームと聞くと、厳しい戒律を思い浮かべる人も少なくないでしょう。豚肉やアルコール飲料の摂取が固く禁じられていることは特によく知られています。そのような食に対する制限があるためか、最近誤解を受けることが多いものに、「ハラール(食)」があります。
 国内においては食と関連づけられていることが多いものの、ハラールとは、神と預言者ムハンマドがクルアーンとハディースの中でムスリムに対して許可したものであり、実は食べ物や飲み物についてだけ関連するものではなく、ムスリムの日常生活のあらゆる場面に関わることを含んでいるものです。認証を受けたハラールな食品には、下の図にあるような「ハラールマーク」が付けられますが、ムスリムはこういったハラールマークがついているものしか食べることができない、というのは誤解です。ハラールマークはあくまで指標の一つに過ぎず、マークのないものでもハラーム(禁じられたもの)でないものであれば食べることができます。
 もしムスリムの友人ができたら、遠慮せず食事に誘ったり、料理で交流を深めてみてください。ただその際には、調味料等を含めて料理に使われているものを、原材料表示等を一緒に確認して、食べられるものかどうか確認することを忘れずに!油脂類は動物由来なものもありますので、注意が必要です。

比較文化研究
健康科学部 栄養科学科
助教 二村 洋輔


2024年4月

バットの芯とはどんなこと

 重さのあるすべての物には、重心という重さの中心点があります。バットの重心は指で支えてバランスが取れる場所にあります。また、バットにボールを当てると振動が伝わります。
 ボールが当たった場所によって振動の伝わり方が違います。芯に当たると不思議なことにあまり振動が伝わってきません。しかも、芯に当たるとボールが打った感触以上に遠くへ飛んで行きます。
 芯はボールを良く跳ね返す点なのです。その芯がどのようにして決まるかはまだ十分分かっていませんが、バットの重心と振動の特性、バットの形状、材質などが関わっていると考えられます。いずれにしろ、バットの芯とは、振動が伝わり難く、ボールを良く跳ね返す部分で、それは非常に小さい点のようなものなのです。
 

スポーツバイオメカニクス
健康科学部 健康スポーツ科学科
教授 飯本 雄二